米軍は二度目の原爆を北九州に投下する目的で
テニアン島を飛び立った・・・・。
北九州の天候が芳しくなく、
やむなく長崎の浦上天主堂の上空に投下。
長崎市の人口24万人のうち
約7万4千人が一瞬にして亡くなった。
長崎市民は「最後の被災地であってほしい」と
今も慰霊をささげ、世界に向けて平和国家を祈り続けている。
戦争を知る世代が少なくなっている今、
長崎の戦後75年の節目に、戦争と原爆の悲惨さを後世に
この事実を伝えていきたい。
映画の舞台は昭和32年、浦上天主堂の保存を巡って
議会が紛糾している時に始まる。
被爆のケロイドを持つカトリック信徒の女性、鹿(しか)。
そして、詩集を売りながら、
原爆の跡地で自分を犯した憎き男を探している忍(しのぶ)。
二人は戦争の記憶と傷跡を残すため、
壊れた被爆マリア像の残骸をひそかに盗み集めている。
雪の降るクリスマスの日。
マリアの首を仲間とともに盗もうとすると
鹿に被爆マリア像が天の声として、
「子供たちに、うちのお乳ばたっぷり飲ましておあげなさい。とっても甘か甘かとば・・・」
人間愛とは正義とは何か・・・
そして、最後の被爆地・長崎を
全世界に向けて平和を願って描いていきたい。